ふわとろオムライスになれたら

現役Webライターが綴る、仕事のあれこれや日常の中で感じた「思考」の原石。

生活保護家庭の高校生が夢をつかむために必要なたった1つの考え方とは

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ふわとろ、一身上の都合です。

今回は「生活保護」の家庭に暮らす高校生が夢をつかむために必要な考え方についてご紹介します。 

何を隠そう、僕は元・生活保護受給者です。

そんな僕がない頭を振り絞って振り絞って考えました。

生活保護家庭や困窮した家庭に生きる高校生が夢を追いかけるために必要な思考方法をご紹介します。

 

生活保護家庭の高校生は自分の将来の夢をみるか

母親と二人暮らしになったのは5歳のときでした。

それから実家を出る19歳になるまで、僕は生活保護を受給していたのです。

 

その中で強く感じたのは、世間が「生活保護」に抱くイメージや意識が

 

生活保護家庭に暮らす高校生から夢を奪っているのではないか”

 

という思いでした。

 

どう考えても、世間の認識では大多数の方が「生活保護家庭の子どもが進学するなんてゼイタクだ」と思っているように感じます。

 

生活保護家庭の高校生は、「特に」自分の夢を追いかけられない状況に追いやられています。

これは紛れもない事実です。

だから、この記事では生活保護家庭の高校生が、他のみんなと変わらずに自分の目標や理想、夢に向かって生きていけるような方法を提示します。

 

これは被害妄想ではありません、歴とした事実にもとづいた話なのです。

生活保護家庭の高校生は、進学することすらままならないのですから。

 

 

厚労省の発言が物議を醸したそのワケとは?

生活保護家庭の高校生が夢を追いかけられない証拠として、最近興味深いニュースがありました。

つい先日話題になっていた厚労省職員の答弁です。

 

ダイヤモンドオンラインの「生活保護で大学進学なんてゼイタク」本音を包み隠す厚労官僚の“良識”という記事に詳細が記されていました。 

 

"厚労官僚による「生活保護での大学等への進学は認められない」という国会答弁が、大きな波紋を引き起こしている。理由は、生活保護法の「最低限度の生活」が大学進学を含まないからだ"

 

現状、生活保護を受けている方は生活保護法に記された「健康で文化的な最低限度の生活」を基準にさまざまな待遇が施されています。

医療費がかからなかったり、現金が支給されたりといった具合に、「ゼイタク」はできなくとも、文化的な生活を営めるくらいの援助が行われているのです。

 

ここで気になるのは「ゼイタク」のボーダーラインでしょう。

実はこの「ゼイタク」という概念が曖昧だから、生活保護家庭で育っている若者や高校生の未来が失われているのです。

 

ゼイタクのボーダーラインを決めるのは誰なのか

世の中では「ナマポ」などと揶揄されることも多い生活保護ですが、この記事では「俺達の税金で食ってんだから贅沢すんな」という意図の発言をする方については言及しません。

なぜならあまりに経済がわかっておらず、議論の対象にすらならないからです。

 

ゼイタクとは、健康で文化的な最低限度の生活の外側にある自由や快感です。

高校生の進学はゼイタクではなく、貧困の連鎖を断ち切るために必要不可欠な手段でしょう。

貧困家庭から脱して、一人前に稼げるようになって、税金を納めて、自分の力で家族を養えるようにしなければ生活保護費は膨らむばかりです。

一人でも多くの若者を経済に参加させることこそ、税収の増加につながり、生活保護費の削減につながるのです。

 

生活保護家庭の高校生が進学するのはゼイタク」という発言は、あまりに短絡的で、思考停止と言わざるを得ません。

なので、この記事ではそのレベルの発言に関しては意見せず、もう少し経済学的な話をしたいと思います。

貧困家庭の高校生でもわかりやすいように、専門用語は出しません。

 

生活保護などのセーフティネットが存在する理由は?

生活保護などのセーフティネットが敷かれている理由は、非行や犯罪に走る人を減らすためです。

非行や犯罪に走る人が増えると、国家がもろくなり、内部崩壊を巻き起こすのです。

安定した国家を運営するためには、お金をかけてでもセーフティネットを敷き、極限状態の人間を出さないようにしなければなりません。

 

例を挙げましょう。

 

わかりやすくするために国民を減らして、10人で成り立つ国家があるとします。

はじめは10人全員で協力しながら家を作ったり、魚や動物を獲って食料にしたり、服を作ったりして生活していました。

途中、一人が風邪をひいて寝込んでしまいました。

その彼のために、残りの9人は少しだけ多く仕事を増やして、彼の分まで食料を調達します。彼は仕事をしていませんでしたが、ご飯をもらい、家に住み、服を与えられました。

やがて風邪が治ると、彼は仕事に復帰し、また10人で生活を営み始めます。

 

本来のセーフティネットとは、こういった役割を果たすものです。

10人国家で言えば、「誰かが倒れたらその人の面倒をみんなで看る」というルールが存在する状態ですね。

 

では、もしこのルールがなかったらどうなるでしょうか。

そして、風邪よりも重い状況に陥ったらどうなるでしょうか。

 

たとえば風邪ではなく、両足の骨折だとしたら?

骨折した彼が寝込んでいたとき、誰も面倒を看ずに放置し、空腹の彼を放っておいたら、どうなるでしょう。

 

たどるルートは3つです。

 

・骨折が完治し、彼は自力で仕事に復帰する

・空腹に耐えかねた彼が重い身体を引きずって仲間の食べ物を奪う

・悪化や空腹で死亡する

 

この中でもっとも可能性が高いルートは、「空腹に耐えかねた彼が重い身体を引きずって仲間の食べ物を奪う」です。

極限状態に陥った人間は、たとえ悪いことであっても生き延びれるのであれば生きようとします。動物なので当たり前ですね。

 

次に可能性が高いのは怪我の悪化や空腹による飢餓で死亡することです。

食料をもらえずに寝ているだけでは死亡します、だれも助けなければ、そうなるでしょう。

 

最も可能性が低いのは骨折の完治です。

骨折した状態で自分の食べ物を獲得するのは至難の業でしょう。

よほど頭か運が良くなければ成立しません。

 

さて、次に考えてほしいのは「どのルートが最も滅亡に近い選択なのか」という点です。

どんな生き物も死にたくはありません。

種の繁栄を目指して日々の生活を送っていますよね。

何らかの理由で動けなくなった彼が取りうる行動は紹介した3つのどれかです。

どの選択を取られると、10人国家にとって最も痛手なのか考えてみてください。

 

わかりましたか?

正解は2番目の「奪う」ことです。

奪うとは「価値の強奪」に他なりません。

彼が奪い取った一匹の魚は、仲間が3人がかりで半日かけて獲った食料かもしれません。

つまり3人の12時間分が詰まっているのです。36時間分の価値を、彼は奪い取ったのです。

これによって3人は飢えを満たせず、翌日の狩りが失敗してしまう可能性が高まります。

盗みを覚えた骨折中の彼は、また仲間の食料を奪うかもしれません。

 

盗むというのは、経済学的な観点に立つと非常に非生産的な行為です。

食料、服、住居などはすべて価値ですが、この価値を「創造しない」だけでなく「他者から奪う」のは、最も痛手です。

国家の存続には価値の創造が必要不可欠。そして価値の交換が人々の繁栄を促しています。私たちは貨幣と物を交換して生きていますよね。

奪う、盗むという行為は、この原則からあまりに逸脱しているのです。

 

10人国家は怪我人の治療や看病を怠ることで、労働者を一人失い、価値を奪われ、滅亡に一歩近づくでしょう。

これと同じことを国家レベルで行った結果生まれたのが「セーフティネット」です。

 

セーフティネットの意義から考えると生活保護家庭の高校生こそ進学すべき

生活保護家庭の高校生こそ進学し、経済の輪にしっかりと参加する必要があります。

なぜならセーフティネットそのものが、人を極限状態に陥らせないためのものだからです。

極限状態に陥った人は盗んだり奪ったりして、他人から価値を強奪します。

もしくは単純に死亡して、この国から労働力が減少しますよね。

どちらも痛手です。そうならないために、国家を安定させるために敷かれているのがセーフティネットです。

 

セーフティネットである生活保護から脱するときに、進学するという手段は非常に有効です。

これは現代の社会のあり方を考えると、一目瞭然といえるでしょう。

 

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このように学歴によって初任給や昇給ベースが異なるため、年収にも格差が生まれています。

生活保護家庭でギリギリの生活を続けてきた高校生に就職させるという判断はあまりに非効率なのです。

これは「優先的に進学させろ」という意味ではなく「他の高校生と同様に進学のチャンスを与えるべき」という意味です。

 

学歴別に見ると、最終的な年収差は200万円近く開いているのがわかります。

地方に就職している場合や、増税社会保障費の増加を加味するとさらに可処分所得は下がっていくでしょう。

そして、セーフティネットにいる層から進学する人を出して教育の機会を与えなければ、これから先も貧困の連鎖は消えることがありません。

生活保護家庭の高校生が高卒で就職し、低賃金の中で家庭を持ち、子どもを授かったとしましょう。

その結果、大学へ進学させられないとしたら、子どももまた貧困の連鎖から抜け出すことはないのです。

結果として、国家全体の社会保障費は減ることがないのです。

 

経済の輪に参加させないと、いつまでもこの苦しい状況は続きます。

もちろん、セーフティネットにいる人だけではありません、朝から夜遅くまで働いている会社員なども同様です。

なぜ生活が苦しいのか、それは能力の欠如だけではありません。

貧困の連鎖を断ち切るための施策があまりに足りていないため、いつまでたっても貧困層が這い上がれず、頑張って働いている方におんぶにだっこの状況を抜け出せずにいるからです。

 

貧困層が這い上がるために必要なたった一つの考え方

ここからは苦しい状況にいる方への手紙だと思ってください。

 

僕は年収150万円以下の家庭で2人暮らしをしていました。

多分、日本の中でも本当の本当に最底辺を生きていたと思います。

 

今は進学して得た知識を活かして、フリーランスのライターとして活動しています。

さまざまな人と関われて、本当に刺激的な毎日です。

 

でもね、絶対にこんな生活できるって思ってなかったんです。

僕の地元は新潟の片田舎で、高卒で就職しろっていわれて、出て来る求人票はどれもこれも月給14万円で三交代の工場だった。

僕はこの記事で書いた内容を肌で理解していました。

貧困の連鎖を抜け出さないと先がないってことにも、市役所はとりあえずの生活保護費を削減したいがために「就職したほうがいいよ」と勧めているってことにも。

 

僕はただただ全員ぶっ殺したかったんだ。

だっておかしいんですもん、不公平だって思ったんですもん。

 

僕だって中流階級に生まれていたら、適当にテスト受けて、どうでも良い点数取って、それでも親が買ってくれた新品のスニーカーに履き替えて下駄箱を出て、2ヶ月前に告られて付き合った彼女と帰り道にタピオカ買って飲みながら河川敷歩いて、Twitterでバズってる動画を見ながら笑いあって、家に帰れば温かいご飯と口うるさいお母さんがいて、遅れて帰ってきたお父さんに曖昧な「おかえり」を送って、何の心配もなく、何の不安もなく、この先も幸せが続くはずだって確信しながら、眠れたんだ。

 

父親の怒号がトラウマになって大人の男性が恐ろしくなったり、人と目を合わせられなくなったり、アル中の母親が連れてきた男が全裸で母親にまたがっている姿も見なくて済んだ。

母親に「お金がないから父親に電話して」なんて頼まれなくても済んだ。

電話口でお金の無心をした。

 

「養育費が月1万円なんて少なすぎるから、もう少しお金欲しいんだ」

「お前になんて月1万円の価値もねぇのにな、金なんてねぇよ」

 

実の父親にこんなこと、言われなくても済んだんだよ。

明日もこんな生活が続くなら死にたいなんて思いながら泣きながら眠る必要なんて、なかったんだ。

 

僕はそういう怒りだけで生きてきたよ。

僕より、いや俺より馬鹿なのに進学する連中を見返したくて、生きてきたよ。

特待生を取った。学力は低かったけど、面白い学校へ進学できた。

そこで得たすべての経験が糧になって、今は自由を手に入れたよ。

 

たった一つ、僕らみたいなハグレモノに必要なのは「心の奥底にある気持ち」だ。

それはとても人に言えない汚い想いかもしれない。

僕は「全員ぶっ殺してやる」だった。キミもそうかもしれない。

でも、別にいいんだよそれで。

周りのみんなが「世界平和」とか「一生笑顔で」とか、そういう耳障りの良い言葉を吐いているからって、自分の汚い気持ちを恥じる必要なんてない。汚いことは悪いことじゃない。

立ってる場所が違う、ただそれだけだから。

 

生きる理由になるなら、キミの奥底にある汚い想いは命にふさわしい。

今日からは、その奥底にある本音にキミの命を賭けて。

 

僕は口だけじゃない、本気で全員殺そうと思っていた。命を賭けたよ。

でも直接彼ら彼女らに手を下すと捕まってしまうし、意味がないと思ったから、そいつらが自殺するような方法を考えた。

親の支援を得て進学したやつよりも金を稼いで、煽ってやろうって思ったんだよ。

「俺は何もないところからここまできたけど、お前人に助けてもらってその程度なの?

恥ずかしくないの?」

って。そしたら最高の復讐になるじゃん。

 

けど今となってはどうでも良くなってしまった。

きっとそんなもんなんだ。

 

でも、僕らは生きるために理由が必要すぎる。

だから、自分の本音にすべてを預けて、それがどんな声であれ耳を傾けて欲しい。

 

その上で、もしキミが幸せになりたいと願うのであれば、具体的な手段として、僕は進学することを勧める。

 

issinjou.hatenablog.jp

 進学するためには、この記事を参考にしてほしい。

 

どうか、この記事が読まれていることを願っています。